そば屋のカレー理論
昨日のジャンル偽装にも似た話で「そば屋のカレー理論」というものがあると思っている。そば屋のカレーには独特のおいしさがある。下手したらカレー屋のカレーよりも好きという人もいるかもしれない。そう、実はそば屋はそばではなくカレーを売っている。つまりそば屋はそば屋に偽装したカレー屋なのである。
これはどういうことか。カレーをカレー屋として売ってしまうとカレー業界というレッドオーシャンで戦うことになる。しかしそば屋のカレーであればブルーオーシャンだ。つまりあえて戦うフィールドをズラしているということなのだ。具体的な例を挙げると松屋のカレーだ。ご存知の通り松屋のカレーはびっくりするくらい美味しい。そう、松屋は牛丼屋ではなくカレー屋なのだ。もちろん松屋の牛丼はおいしい。僕だって松屋に行くときは大体牛丼を食べる。しかし実はカレー屋なのだ。でなければあんなに美味しいカレーが作れるはずがない。
話は逸れるがずっとカフェを開きたいと思っている。コーヒーが好きで家ではいつもインスタントコーヒーを飲んでいた。ある日自宅で豆を挽いて淹れてみた。それだけでお店で飲むコーヒーと同じくらいのクオリティが味わえた。ちょっとひと手間加えるだけでこんなにも変わるものかと感動した。それ以来いろんな産地の豆を買い自宅で豆を挽いてコーヒーを淹れるようになった。そんなこともあり自分で淹れたコーヒーをもっといろんな人に飲んでもらいたいなんて思っている。しかしコーヒー業界は厳しい世界だ。正直僕はお湯の淹れ方、豆の挽き方、抽出器具の違いなんて分かっていない。毎回フィーリングで淹れているので同じ味を再現できていないだろう。最初に少し蒸らすとか、誰でも分かるようなことをやっているだけだ。そんな自分にコーヒー業界でやっていけるほどのスキルなんてないだろう。だからカフェなんて開けるはずもない。
しかし、そば屋のカレー理論を適用すれば道が見えてくるかもしれない。カフェでコーヒーを淹れるのではなく、違う店に偽装してそこでコーヒーを淹れるのだ。じゃあどんな店として開けば良いのだろう。そこが一番難しいところだ。結局自分はそばも打てないし、料理なんてまったくできない。それならいっそ飲食店でなくてもいいのかもしれない。例えば占いとか。占いをしつつ美味しいコーヒーを出す。実は占いの館を装ったコーヒー屋。いいかもしれない。
僕はわりと直球勝負を避けがちだ。コーヒー業界でまっすぐやっていくほどの情熱もスキルもない。それならそば屋のカレー理論でそれなりにやっていければいいではないか。まぁそれもそんなに簡単なことではないのだけど。そんなよく分からない妄想をしながら今日もコーヒーを淹れる。