先日AirPodsをなくした。愛用していたお気に入りの最新版、AirPods4アクティブノイズキャンセリング搭載モデルだ。このAirPodsはすごい。何と言ってもオープンイヤー型でアクティブノイズキャンセリングが付いているのだ。従来のノイズキャンセリングといえばカナル型しかなかった。カナル型とはいわゆる耳栓みたいな感じのやつだ。僕はカナル型が苦手だ。あの耳を圧迫する感じに慣れず、頭が痛くなってきてしまう。しかしノイズキャンセリングとはすごいもので、どれだけ周りがうるさくても音が聞こえる。ラジオ好きで移動中は常にラジオを聞いているような自分にとってこれほど素晴らしい発明はない。音楽であれば多少音が聞こえなくても問題ないが、ラジオだとちょっと聞き逃すだけで話についていけなくなったりする。それがかなりのストレスだった。そんなこんなで長らくカナル型のノイズキャンセリング機能付きのAirPods Proと、普通のAirPodsを両方持ち歩きつつ状況に応じて使い分けるといった面倒くさい方法を取っていた。しかしAirPods 4が出たことですべてのストレスから解放された。これ一つで耳の圧迫感もなく、周りがどれだけうるさくてもちゃんと音が聞こえるのだ。昨今で一番の革命だったと思う。

そんなAirPods4をなくしてしまった。しかし大丈夫。iPhoneの探すを使えばGPSである程度場所は特定できる。きっとどこかの落とし物として届けられるから取りに行けばいいだろうと高をくくっていた。しかしなくした当日の夜iPhoneの探すを見てみると、あちこち移動している。そして夜にはおそらくアパートっぽい場所にいった。これは誰かに使われている。そう確信した。どうやら紛失モードにしてもイヤホン自体は使えてしまうらしい。なんてこった。数日経っても明らかに使われている。決まったルートを移動しているし、充電も切れていない。充電して自分のものとして使っているに違いない。怒りがこみ上げてきた。人のお気に入りを勝手に使いやがって。こっちは住んでいる場所も通っている場所も大体把握しているぞ。おそらくソイツは気づいていない。iPhoneでないと紛失のメッセージは表示されないらしい。気づかずに使ってやがるのだ。

ここからは本当に色々あったのだが、長くなるので結果だけいうと最終的には取り戻すことができた。GPSの位置情報を辿って、近づいたら音を鳴らして、……と頑張ってソイツを特定することができた。詳細は省くが警察にお世話になった。警察に言っても冷たくあしらわれてしまうかと思っていたが、そんなことはなかった。日本の警察は優しい。本当に感謝している。結局被害届は出さなかった。最初は怒りの感情しかなかったし、とっ捕まえてやろうと本気で思っていた。しかしいざソイツを目の前にすると当たり前だが一人の人間だった。ソイツだって日々を一生懸命生きている。甘いかもしれないが僕は鬼にはなれなかった。不思議なものでいざ一人の人間を目の前にするとそんな感情が湧き上がってきた。無事戻ってきたのだから良しとしよう。もちろん悪いことは悪い。そこについては反省してもらいたい。ソイツだってこのAirPodsを見たとき、僕がどれほど愛用しているかなんて想像だにしなかっただろう。持ち主を目の前にして何か思うことはあっただろうか。正直相手の気持ちなんて分からない。でも僕の目を見て何かしらを感じてもらえたのならそれで良い。それで良いと心から思っている。