会話における反語が嫌いだ。文章の表現としての反語は全然問題ない。むしろ好き好んで自分もよく使っていると思う。しかし日常会話における反語にはどうも違和感を覚える。反語が出てくるような場面は、多くの場合相手を攻めているときのような気がする。そこで反語を使われるのは嫌だと思ってしまう。

反語とは何かを強調するための技法で、例えば「こんなことあり得ない」を「こんなことがあるだろうか?いやない。」といった形で表現することだ。一般的には最後の「いやない」は省略されがちだ。だから先日起こった出来事でいえば、「GPSで位置情報が分かるのにAirPodsを盗るやつなんているだろうか?」となる。単純に意訳すれば「AirPodsを盗るなんてありえない!」だ。

日常会話で反語が出てくるのはどんなときか。例えば、誰かが自分の大切にしていたものを落としそうになったときの、「何してんの!?」だ。これが反語かどうかは分からないが、とりあえず僕は反語として認識している。この「何してんの!?」は少なくとも疑問形ではない。本来の意味を考えると、「何してんの!?」→「そんなことしていいわけがない」→「こんなことするな!」だ。それならストレートに「触るな!」と伝えればいいのではないだろうか。そこでの「何してんの!?」には嫌味的な何かや批判的な何かを感じてしまう。

本当に何をしているのか聞きたいのであればそれでいいと思う。しかし往々にしてこういう場面での「何してんの!?」は純粋な疑問形ではない。それは攻めの一手でしかないと思っている。攻めるのであれば反語的な言い回しで言うのではなく、もっとストレートでもいいではないかということである。攻めの一手なのかどうかは口調で分かる。ということは結局口調の問題でもあるのかもしれない。怒っているのに反語が出てくるというズレの部分に僕が嫌な部分を感じているのかもしれない。

文章にすると分かりづらいが怒られているときの「何でこんなことした!?」は良くないと思う。何度も言うが、本当に理由を聞きたくて言っているのであればいい。つまり「何でこんなことした?」はいいが、「何でこんなことした!?💢」はダメだということだ。自分が文脈を深く考えすぎなのだろうか。いやそんなことはない。反語で締める。